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空と宇宙の間で

「私を受け止めなさい、バナージ!」 オードリーは胸の前で両手を合わせ祈るように念じた。 その意思は、その小さなたった一つの願いは空間を越え、大気を震わし、少年の心に電気となって流れ込んだ。 「オードリー!」 バナージは叫ぶと同時にアクセルを目一杯踏み込んだ。 眼前では黒き獅子が金色の牙を剥き身構える。 白き一角獣は寸前で体を反転させ、ガルダの大翼から頼りのない大空へ身を投げ出す・ 「やれるな、ユニコーン!」 白き一角獣は金属の咆哮をあげ少年の願いに応えた。 ミシリと音を立てて純白の装甲から赤い血肉のようなサイコフレームが除く。 一角獣は瞬く間に希望の象徴「ガンダム」へと姿を変貌させ、大気に白い筋を引きながら一直線に下降した。 オードリーは上空に温かさを覚えた。 彼女はそっと目を開く。 真っ青な空の彼方、雲さえも届かない成層圏に近い空に見えた一点の黒い粒が見る見る大きくなる。 「ああ・・・」 安堵と嬉しさの入り混じった吐息がバイザーを白く曇らせた。 ユニコーンガンダムはスラスターを逆噴射させながら、優しくゆっくりと近づくとその大きな手の平でそっと彼女の身体を受け止めた。 「オードリー!」 コクピットハッチが開き、バナージが身を乗り出す。 伸ばされた手はまっすぐと迷い無くオードリーに向けて・・・ 「かかったな少年!」 オードリー、いや身の丈190cmはあろうかと言うその大男はバナージの手首を掴むと目にも止まらぬ速さで捻り上げ、彼の背中をガンダムの鉄の手の平に叩きつけた。 「美少女かと思ったか?残念、セーガルでした!ハハハハハ」 スティーブン・セーガルはそう言うとコクピットを奪い、バナージを蹴り飛ばし上空に解き放った。 いつもいつもすみません。 最近暑くてちょっとテンションがおかしいんです。 製作解説は写真横に記載させて頂きます。